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I WERE YOU

I WERE YOU

2017年の夏、十文字さんから「ちょっとね、ちょっと見てほしいものがあるのだけど」と電話があり、彼の鎌倉のギャラリーに行った。
電話の声がうれしそうだったので、悪い話ではないらしいことは予想していたが、簡単な話のはずがないことも、彼との40年余のつきあいからわかっていた。
十文字美信というひとは簡単な人ではない。同じころ、もうひとりの簡単な人ではない加納節雄さんから「ちょっと鎌倉に行って、あるものを見てきてほしい」と連略がきていた。
こちらも声の調子が、どこかうれしそうだったが、ふたりの簡単ではない人がうれしそうに言うことは、むずかしい話であるらしいことを覚悟して、わたしは鎌倉に出向いたのだった。
と、本題になかなか入らないのは、いまここで書くべきことをどう書いていいのか、わからないからです。
でも、とりあえず、おふたりの紹介は済みました。ギャラリーとなりの「CAFÉ bee」でコーヒーをいただいていると、庭のほうから十文字さんがうれしそうな顔であらわれ、
挨拶もそこそこに、案の定むずかしい話をしだした。「ぼくの写頁と江戸絵画を組合せたら、どうなるか、やってみたのだけど見る?」口調は「見る?」だが、目は「見ろ」と言っていた。
やはり簡単な話ではなかったのだ。ギャラリーの大机のうえに十文字美信と加納コレクションの曾我蕭白(江戸絵画の異端絵師)を組合せた、試作三点がひろげられていた。
写真と絵画の出会いがしらの衝突、あるいは作品、あるいは合体物。二百数十年隔たったふたつの作品、しかも写真と絵画、ふたつの異なるジャンルを同居させた試み。
試みである。だから、まだ評価はない。美術として、写真として、解釈し評価を付すことはできるだろうが、「なに?これ」のまま、判断停止のまま、心に、頭に、目に、とどめておきたいと、わたしは思った。
解釈し、カテゴライズせぬまま、評価定まらぬまま、不可思議で、末知の力を孕んだ合体物のまま。
ひとつの作品のなかに、ふたつの作品がおさまり、それぞれ本来の力と偏向と価値を保ったまま、まったく新しい世界が立ち現れている。
二百数十年の時間差を越えて、ふたつの最先端が拮抗し、現代の最先端を提示している。
作品の美術的、写真的評価、奥行きの解釈はあとまわしに、まずは表面に現れた、目に見える世界と対峙したい。
「これにね、題というか、言葉をつけてほしい」と十文字さんは言って、「言葉をそえると、意味という垢がついてしまうけれど」わたしはそう答えたことを覚えている。
「CAFÉ bee」の庭の石の上で眠る茶トラ猫を眺めながら、オーナーズブレンドを飲みながら、たがいの顔の皺と染みを目にしながら、2017年の夏、そんなやりとりをしたのを覚えている。
蛇足を承知で書けば、今回展示の「曾我蕭白・鷹兎図」と「十文字美信・残闕」の組み合わせには「言い忘れたこと」という言葉を試しにつけた。
しかし、いま、完成した世界を見れば、言葉の入りこむ余地はない。
上記一作に加え、「曾我蕭白・一休図」と「十文字美信・白仏」。「曾我蕭白・養蚕図」と「十文字美信・滝」の二作が完成し展示されるが、
これで終わりではなく、この先も最先端の世界は、新しい試みとして展開されるようだから、楽しみは尽きない。

川崎 徹


「18世紀京都画壇で活躍した円山応挙、曾我蕭白、19世紀末に江戸で活躍した河鍋暁斎、
これら異端の画家と20世紀末から21世紀の混沌とした精神風土から生まれ、自由でどこか不気味な十文字美信の写真を合わせ鏡のように組み合わせる。」
このような奇想天外な試みをしたいのだが、と江戸美術コレクターの加納節雄さんから連絡があった。今から4年前の2015年のことだった。
想像したこともないアイディアだったので、しばらく躊躇していたが、ご自分がコレクションされた絵と私の写真を組み合わせた画像が次から次と送られて来るようになった。
そしてこの度、画像ではなく、実物の江戸絵画(曾我蕭白作品)と私のオリジナルプリントをーつに額装した件品が実現した。
この試みがどのような新しい表現世界を生み出しているのか自分でもわからない。
毎日眺めているうちに絵と写真というジャンルが違っても、視覚をとおして表現したものは、
経験と学習と記憶を繰り返し重ねることで日本美術の伝統ともいえる形なきものを強く意識しているのではないか、と思うようになった。
互いに響き合うものがあれば、伝統は時代を越えて繋がっていく。私と曾我蕭白の間には200年以上の時間差がある。
もし、200年後の世界に、誰か私の作品の隣に想像もつかないメディアを使って新しい作品を並べたとしたら、これほどワクワクすることはない、と思ったのだ。
今回の展示は曾我蕭白 鷹兎図、一休図、養蚕図。十文字美信 残闕、白仏、滝を組み合わせた。

十文字美信/加納節雄


2019/4/21日〜5/26日まで(前夜祭4/20日)、鎌倉BISHIN JUMONJI GALLERYにて最新作「I were you 私はあなた」を発表します。この作品は、江戸美術コレクターの加納節雄氏と4年間かけて作り上げました。第1回目の展示は十文字美信の写真と曾我蕭白の絵を3点組み上げました。今まで誰も試みたことがない作品です。ぜひご高覧ください。尚、内覧会となりますので、観覧希望者は以下のコンタクトフォームからお申し込みください。
(さらに…)

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「修羅」失われた記憶 展、本日から開催

「修羅」失われた記憶

写真展「修羅」失われた記憶、本日から開催です。

11:30〜18:00(火曜休廊)

皆様のご来廊をお待ちしております。

次回展示:「修羅」失われた記憶

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次回展示:「修羅」失われた記憶

藤崎

タイトル :「修羅」失われた記憶

会期 : 2018/5/23 (水)〜6/25 (月)

今年に入ってから京都、佐賀、熊本、再び佐賀、福岡、兵庫、姫路、酒田、山形と移動して、さらに兵庫、京都、大阪、5月は北海道の羅臼へ行く予定です。具体的に何を撮る、という目的もなく、気が向いたらその場所へ行ってみる、そんな旅です。
気が向いたら、と書きましたが、何に対して気が向くのかと言いますと、なんでしょうか、自分でも何故その場所へ行きたくなるのかはっきりした理由はわかりません。何処へ行ったところで、明確な被写体が私を待っているわけではないのです。
昨年からなんとなく思うことがあり、その、なんとなくを確かめている気がします。

昨年の7月に旧友の藤崎を亡くしました。
お互い10代の頃に知り合い、しばらくの間は毎日、密に会っていました。私にとってどんな友人だったか、詳細は写真集『感性のバケモノになりたい』の「藤崎」に書いたので繰り返しませんが、彼を亡くしたことで、記憶について考える機会が多くなったのです。
彼を亡くした当初は、哀しみと懐かしさの混ざった言葉にしにくい感情が浮かんでは漂い、そのうちに消えていくを繰り返していました。
しばらくすると記憶の出どころや内側を覗いてみたくなりました。10代の頃に何をやったか、の行動を思い出すよりも、当時のワクワクした興奮そのものを蘇らせてみたい、と思ったのです。
古希を過ぎた私が、10代の頃の記憶を手繰り寄せたところで、手応えになるものは何も残っていないのでしょう。記憶を追っているうちに、藤崎をきっかけにして新しい記憶を産み出していることに気がつきました。亡くなった藤崎を心に抱きながら、生まれ出た新たな記憶の地平を歩いてみたくなったのです。出来ることなら言葉ではなく、写真映像で生まれた記憶に近づき、離れ、走り、共に倒れてみたいと思ったのがこの作品を撮り始めたきっかけです。

ぜひご覧いただきたいと思います。

十文字美信

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年末年始のご案内

年始年末のスケジュールのお知らせです。
年内は24日(日)までとなり、12月25〜31日までお休みさせていただきます。
年明けはギャラリー、カフェ共に元旦からオープン致します。
皆様のお越しをお待ちしております。

2017年12月23日(土)通常営業(11:00〜18:00)
2017年12月24日(日)短縮営業(11:00〜17:00)
2017年12月25日(月)閉廊
2017年12月26日(火)閉廊
2017年12月27日(水)閉廊
2017年12月28日(木)閉廊
2017年12月29日(金)閉廊
2017年12月30日(土)閉廊
2017年12月31日(日)閉廊
2018年 1月 1日(月)お正月営業(10:00〜18:00)
2018年 1月 2日(火)お正月営業(10:00〜18:00)
2018年 1月 3日(水)お正月営業(10:00〜18:00)
2018年 1月 4日(木)お正月営業(10:00〜18:00)
2018年 1月 5日(金)通常営業(11:00〜18:00)
2018年 1月 6日(土)通常営業(11:00〜18:00)
2018年 1月 7日(日)通常営業(11:00〜18:00)
2018年 1月 8日(月)通常営業(11:00〜18:00)
2018年 1月 9日(火)閉廊
2018年 1月10日(水)閉廊
2018年 1月11日(木)通常営業(11:00〜18:00)
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「劇顔2017年」展 開催中

DM-Gekigan-2017-1
DM-Gekigan-2017-2

「劇顔2017年」展が始まりました。

期間:2017年12月13日(水)〜2018年2月28日(水)

これら12点の作品は、雑誌『シアターガイド』の「劇顔」2017年1月号~12月号のために撮影した写真を、十文字美信のオリジナルプリントで展示しました。全て開演直前、或いは閉幕直後の数分間で撮影したものです。
自らの肉体を使って、未知なる宇宙空間へ精神を解き放つ役者の顔に、表現のあらゆる可能性を見つけようと試みた作品です。
一点一点の写真に鑑賞者の想いを重ねることでそれぞれが完成する新しい試みのポートレートだと思います。
十文字美信 「写真と珈琲のバラード(40)」より

皆様のご来廊をお待ちしております。

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「劇顔2017年」展

次回写真展のお知らせです。

期間:2017/12/13(水)〜2018/2/28(水)

雑誌シアターガイドで連載してる「劇顔」2017年に撮影した12人の役者を十文字美信オリジナルプリントで展示します。ぜひご鑑賞ください。

写真と珈琲のバラード(38)

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十文字美信 写真「海と腕」展

十文字美信 写真「海と腕」展
十文字美信 写真「海と腕」展

明日から始まる十文字美信 写真「海と腕」展のDMが完成しました。
デザインは高松彩子さん。
皆様のご来廊をお待ちしております。

会期:2017年7月7日(金)〜 10月9日(月)
11:30〜18:00(火曜休廊)
7/18〜8/10、8/14〜8/31は休廊いたします。

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「十文字美信写真『常ならむ』working print 展」5回目の展示替え完了

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「常ならむ working print 展」の5回目の展示替え完了、第6期目に入りました。ついに最後の週です。
写真集『常ならむ』も完成し、会場に見本を置きました。デザイン、印刷共に最高の出来で大変満足しています。
展示は6月26日が最終日ですので、それまでにご覧いただきたいと思います。
尚、十文字は6月21日(水), 22日(木), 23日(金), 25日(日), 26日(月)は在廊しています。

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「十文字美信写真『常ならむ』working print 展」4回目の展示替え完了

「『常ならむ』working print展」の4回目の展示替えが完了し、第5期目に入りました。
すでに500名以上の方にご来場いただき展示の甲斐があります。
会期は6/26日までとなっております。今回の展示もぜひご覧ください。

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「十文字美信写真『常ならむ』working print 展」3回目の展示替え完了

「『常ならむ』working print展」の3回目の展示替えが完了し、本日から第4期目に入りました。
189点の写真から毎回14点抜粋しています。
作者自身とても気に入っているという今回の展示、ぜひご覧ください。

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