2008年から「顔」を主題にした作品を撮り続けていますが、今回展示した写真は石仏です。所蔵されている寺からは、鎌倉時代の作だと聞いていますので、もしそうであれば現在の仏のお顔は、700年近い時間の風雪が作ったといえます。造立当時の目鼻は消えてしまいましたが、むしろ、造形の部分が消えたことによって、私の心の中に新たなお顔が浮かび上がってきます。そのあらわれた新たなものは、記憶やノスタルジーや希望など、体験から導きだされた表情のさらに奥にあるものだと思います。

十文字美信

会期:2016年4月28日(木)〜 5月30日(木)
十文字美信写真展「オリジナルプリント」 1971年〜2016年 第一期・第二期

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